パクリじゃないオマージュだ

卒論ヤバイ。


気分転換に短いSSを書いた。
こういうのはすんごい早く書けるのになぁ。


すごく……うさみちゃんのパクリです……


『名探偵だよ! 藤林さん(姉)!』


 進学校と呼ばれるこの学校では事件と言われる事柄はほぼ皆無と言ってもいい。
 しかし、この平和な学校でも時として事件は起こる。そんな時に立ち上がる一人の双子の姉の美少女という萌え属性を持つ探偵がいた。好きなものはボーイズラブ。嫌いなものは牛乳を拭いた後の雑巾の匂い。好きでも嫌いでもないものは緑色のチョーク。趣味は通報。
 そして、今、事件の影が忍び寄ってきたかもしれない!



 春原陽平が、いつものように空を見上げながら、この世界終わんねーかなぁ、と終末に思いを馳せていると、教室に彼の友人、藤林杏が入ってきた。

「やあ、杏。うちの教室に何か用かい?」
「うるさい、死ね」
「出会い頭に何言い出すんだよ!」
「うるさい、死ね」
「なんで僕こんなに嫌われてるんですかねぇ!?」

 と、二人がいつもどおりのやりとりをしている時のことだった。
 にわかに教室が騒がしくなり始める。教室の中心にはちょっとした人だかりが出来ていた。皆、口々に元気を出して、などと言い、誰かを励ましているようだ。

「杏、あの人だかりは何かな?」
「うるさい、死ね」
「ちょ、もういいから!」
「うるさい、死ね」
「うう、ひどいや。と、とにかく行ってみよう」

 二人が近づいてみると、人だかりの中心が見えた。

「あれ? 委員長じゃないか」

 そこには、杏の双子の妹である椋がいた。彼女の目には怯えと涙が溢れていた。

「ちょっと、どうしたの椋!」
「お、杏が初めてまともな言葉を発した」
「うるさい、死ね」
「僕にはそれしか言えないのかよ!」
「で、椋、どうしたの?」
「あ、お姉ちゃん……」
「無視された……」
「陽平、黙れ」

 杏が陽平を殺気を込めた目で睨む。それは、一説によると邪気眼と呼ばれていたりすることはないが、とんでもない恐怖を陽平に与えた。睨まれた陽平は、腰を抜かしそうになり、ほんの少しだけ漏らしてしまった。

「生まれてきてごめんなさい」

 そして、思わず生まれてきたことを謝ってしまった。

「す、春原くん大丈夫?」
「放っておきなさい。それでどうしたの?」
「うん、あのね……」
「何?」
「恥ずかしくて大きい声で言いたくないんだけど……」
「小声で言えばいいじゃない」
「う、うん。あのね……ごにょごにょ」
「えー! あんたのブルマが盗まれた!?」
「ちょ! お姉ちゃん! 声、大きいよぉ」
「あ、ごめんごめん」
「全く、杏はおっちょこちょいだな」

 いつのまにか鬱状態から復活していた陽平が言う。そんなことを言えばどうなるかも分かるだろうに、彼には学習能力というものが無かった。
 杏がどこに仕舞っていたのか分からないほど大きい辞書をどこからともなく出し、それを手に構える。

「わあわあ! ぼ、僕のことなんかより今は委員長だろ?」
「それもそうね。今は犯人を捜しましょうか。陽平は後でしばくとして」
「後で、しばかれるんだ……。って、うわぁ!」

 叫び声をあげるほど陽平は驚いた。それは、杏の目が怪しく光り輝いていたからだ。。

「き、杏の目が光っている! これは杏が推理を働かせる時に行う癖だ。杏はこのことから、通称「何その目、こわっ!」と呼ばれているんだ。ふう、しかし、何回見ても慣れないなぁ。びっくりして少しちびっちゃったよ。さっきのおしっこ漏らしたのも合わせて、折角委員長から盗んで今履いているブルマがびちょ濡れさ。委員長のブルマがびちょ濡れ……。ふふふ、いい響きだね。勿論、性的な意味で。って、杏の光る目がこちらを鋭く睨んでいる! 犯人が分かったってことなのか!」


――ピーポーピーポー


 こうして、再び学校に平和が戻った。