こわいはなし

※この話は暴力的・残酷な描写を含んでいません。
あと、怪談話ですが改変しています。
ついでにフィクションです。
苦手な方はここから先は読まないように。
でないと……



―恐怖のリカちゃん電話―


明日、俺は20歳の誕生日を迎える。
この歳になるまで彼女いない暦=年齢、の人生を歩んできた俺は当然そういう経験もない童貞野郎だ。
明日で俺も十代とおさらばすることになる。
それまでは初めての相手は好きな人と、と思っていた。
だが、せめて二十歳になるまでに初体験を済ませたいとも思っていた俺は金の力に頼る事にした。
しかし、風俗街に行くのは気がひける。
そうだ、デリバリーヘルスを頼もう。
名案だ。


友達に相談すると、『リカちゃん電話』という店が俺の好みにピッタリだそうだ。
俺のフォースがビンビン反応している。
断言しよう、俺はロリコンだ。
先月思い切って姪っ子(中学2年生)に告白をしたら、俺の股間を蹴り、泣きながら逃げていった。
電話番号を教えてもらい、早速かける。


〜ただいま電話中〜


電話を終え、俺は期待に胸を膨らませていた。
電話に出たのはとても幼い声だった。
電話口で聞く限り、まるで小学生並だった。
受付からしてこのレベル。
俺のテンションとか、そういうなんか全部MAXまで膨れ上がる。
電話の最後に「今からあなたのお家に行くわ」と言われた。
お前が来るのかよ!
そう思ったが、寧ろ望むところだ。
さあ、来い。バッチ来い。
その前にシャワーを浴びよう。
綺麗な体で初体験を迎えようじゃないか。


〜ただいま清め中〜


さっぱりした。
シャワーを浴び終わった俺は、ふとケイタイを見た。
?!
着信が4件もあるではないか。
しまった!
急いで留守電を聞く。
その内容は、
「私リカちゃん。今駅にいるの」
「私リカちゃん。今3丁目にいるの。電話に出てください」
「私リカちゃん。今あなたのマンションの下にいるの。そろそろ電話に出てくださいよぅ」
「私リカちゃん。今二階にいるの。あの、頼みますから、電話に出てください。……グスッ……泣きますよ?」
やっちまった……。
逐一連絡してくれたのに全部無視してしまった。
でも、もう二階にいるらしい。
あと、一階上がれば俺の部屋だ。
その時に謝ろう。
そして、ヤろう。
ケイタイが着信を知らせる。
さっきと番号が一緒だ。
すぐに出る。


「私リカちゃん。今あなたの後ろにいるの」


……そういうプレイか。
後ろ振り返り、そのまま少女を押し倒す。


「きゃああああああああああああああああああああああ!!」


少女が悲鳴を上げる。
ますます、燃えるぜ。
いい店を紹介してもらった。
「いや、いや」
執拗に拒む彼女。
店もいい教育してくれるぜ、まったく。



その夜、俺は大人の階段を一つのぼった。



朝起きると、少女は消えていた。
一緒に寝たはずなのに。
帰ってしまったのだろう。
紹介してくれた友達に電話をかけお礼を言う。
友達は、お前が一番怖い奴だと言った。
なんのことか分からない。
まあ、いいや。ん?
ふと気付くと、メモがテーブルに置いてあった。
『もう、およめにいけない』
アフターサービスも完璧だ。
気に入った。
今日も電話しよう。
誕生日祝いとしてかけよう。
ていうか、今かけよう。




一番怖いのは人間の欲望です。
そういうテーマです。
カッとなってやった。
今も反省はしていない。
「幼馴染」更新してないので代わりにと思い書きました。
こんだけ書くなら普通に更新しろよ。
たまに他の話が書きたくなるんです。
そういう時ってありますよね?(同意を求めるな)