【あらすじ】

岡崎朋也、エロの翼を広げ大空に飛び立つ(誇張)。





岡崎朋也⇔ボタン 旅立ち編』

「ふう、さっぱり」

「ぷひ」

……これが、熟れた果実、か。妖艶っていうか、色気が……

「いってきまーす」

変なことを考えていると、玄関と思われるほうから藤林の声が響く。

「いってらっしゃーい、忘れ物ない?」

「今更ないよ」

「そうね。杏は?」

「部屋で準備中。待ってたら私遅刻しちゃうし。」

「そう。あのこ原チャあるしね」

「ね。じゃあ、いってきまーす」

「はいはい。気をつけてねー」

「はーい」

一緒に登校しないのか。意外だ。そこまで姉妹べったりって訳じゃないんだな。てか、杏も原チャあるとはいえそろそろ遅刻じゃないのか?

「ああ、今日も遅刻決定じゃん。まあ、別にいっか」

「こら、そんなこと言ってないで早く家出なさい」

「はいはい、いってきまーす」

「忘れ物はない?」

「今更あるわけないよ」

「あんたの場合ありそうだし」

確かに。

「もう、無いってば。いってきます」

「いってらっしゃーい」

杏も登校したことだし、そろそろ原因を追求せねば。てか、意外と俺余裕だな。今までの人生にそれほど未練を感じてないからかな?まあ、でもこの体じゃ出来ない事ばっかで不便だし、戻れるにこした事はないだろう。しかしなあ、原因たってな、別に昨日も普通の生活してただけだったと思うし。昨日はいつも通りに遅刻して―――




『岡崎、飯どうする? 学食?』

春原も昼飯の前には来てて、

『ん? 今から行っても席ないだろう』

『そうだね。じゃあパン?』

『それも今からじゃ、あんぱんくらいしか残ってないだろうしな』

『じゃあどうするの?』

だから、

『……宮沢の所行くか。あそこならなんかあるだろう』

『有紀寧ちゃんとこ? いいねえ。久しぶりに僕の顔を見たいだろうしね』

『お前の印象なんて金髪の読みにくい名前の人ってくらいだろう。俺もお前の顔思い出せないし』

『ヒドっ! 毎日会ってるじゃんか! じゃあ、今目の前にいるから目に焼き付けとけ』

ジー

『うわぁ』

『どういう意味だよ!』

『いや、凝視してたらあまりに不憫で』

『流石に言いすぎじゃないっすかねぇ!』

『遊んでないでさっさと行くぞ。時間が無くなる』

『あ、待ってよ』

で、資料室に行ったんだ。

『ちっす』

『あ、朋也さんに春原さん。お久しぶりですね』

『ああ。でさ、久しぶりで悪いんだけどなんか食わせてくれないか? ちょっと昼休み出遅れちまってな』

『はい、チャーハンしかないですけどいいですか?』

『ああ、十分だ』

『じゃあ、座って待っててくださいね』

宮沢はいつもどおり笑顔で出迎えてくれて、

『あ、今日はインスタントですけどお味噌汁もありますよ』

『あ、じゃあ頼む』

『はい』

『僕手伝うよ』

春原もいつもどおり下心まるだしで、

ピッ

『え?』

ジョボボボ

『ぎゃあああ、ダシがあ! 春原エキスがでるうぅ!』

『気色悪い事言うな』

ゲシッ

『ザバダ!』

意味不明のうめき声を上げて、

『すいません。気づかなかったです。本当にごめんなさい』

『あはは、いいんだよ。僕の不注意だしね』

『そうだ。全て春原が悪い』

『うん、全部僕が悪いんだよ。だから気にしなくてもいいよ』

『ありがとうございます。あ、チャーハンできましたよ。食べましょうか』

『うん』

で、チャーハンを食いながら他愛もない話をして、

『今日もおまじないしますか?』

『うん。なんかファンタジーなおまじないとか無いの?』

『おまじない自体ファンタジーだと思うんだが』

いつものようにおまじないの話になって、

『あ、これなんかどうですか?』

『ん、どれどれ?』

『来週のジャンプにハンター×ハンターが掲載されるようにするおまじないです』

『……確かにファンタジーだけど、もっと他にすごいのない?』

『あ、じゃあ、これなんてどうですか? 知り合いの双子の姉妹の姉のペットのウリンコと魂を交換するおまじないです』

あっ!

『えらく具体的なおまじないだね』

『えっと、やりかたは『オレガボタンデボタンガオレデ』と三回言った後、校舎の廊下を一周して双子の姉妹の姉に会えれば成功です』

『それ本格的に呪いくさくないか?』

『よし、じゃあやってみようか』

『やめとけって』

『岡崎びびってるの?』

その日は珍しく春原が挑発的だったんだ。それでつい、

『あぁん? 誰がびびってるって? やってやるよ』

つい、挑発にのってしまって、

『オレガボタンデボタンガオレデオレガボタンデボタンガオレデオレガボタンデボタンガオレデ、これでいいんだろ?』

『はい。それで、廊下を一周してきてください』

『ああ』

で、扉を開けたところに、

『あれ、朋也? 何してるの?』

『こっちが聞きてえよ! なんで資料室の扉の前なんかにいるんだよ!』

そこには杏がいて、

『いちゃ悪いの?』

『いえ、別に』





……と思い出してみると、原因と考えられるものは、宮沢のおまじない?
ははは、まさか、そんなので、それじゃ、呪いじゃないか。

でも、実際今こうして俺は知り合いの双子の姉妹の姉のペットのウリンコになってしまっている。それはおまじないのせいのようだ。原因は分かった。そして、おかげで希望が見えた。このおまじないを今の俺にやらせればいいのだ。しかし、これはかなり難しい。じゃあ、どうすればいいのか?
おまじないの本に載ってるであろう解呪の方法を試せばいいのだ。体育館倉庫に閉じ込められるおまじないには解呪の方法があったから、今回のにないはずがない。よし、そうと決まれば学校に、資料室にいくぞ!

「あ、杏のバカ、弁当忘れてるじゃない。」

俺達が思ったとおり杏のやつ忘れ物してるじゃないか。しかし、今の俺には知った事じゃない。急いで学校に行かなくては!

「あれ、ボタン、もしかして学校行くの?」

「ぷひ!」

「ラッキー! じゃあこれ持ってって」

そういって俺の体に弁当を巻きつける。うわ、めんどくさい事になったな。まあ、いい。今度こそ学校に出発だ!

「ぷひ!」

「いってらっしゃーい」



自分の体を取り戻しに学校へと向かう朋也。
無事に学校へ辿りつけるのだろうか!?
そして、自分の体を取り戻す事が出来るのか!?
以下、次回!



・あとがき
考えてみたら、初のファンタジー作品。
……ファンタジーだよね?
日記のは3kぐらいで抑えるつもりだったのが最近5kいってしまう。
地味に題名変えてみたりして。